「会社のルールだから仕方ない」
そう思って、納得できない決まりにも従っていませんか?
会社には、就業規則や賃金規程などのルールがあります。
でも、会社が決めたことなら、何でもそのまま有効になるわけではありません。
だからといって、納得できないルールがすべて違法というわけでもない。
今回は、職場でよく聞く7つの社内ルールを取り上げます。
元労働基準監督官の経験も踏まえながら、どこを確認すればよいのか見ていきましょう。
- 「会社のルール=絶対」ではない
- まず就業規則・雇用契約・実際の働き方を確認する
- 同じルールでも、状況によって結論が変わるものがある
- 知識を持つ目的は、会社と戦うことではなく、自分で次の選択をできるようにすること
その社内ルール、本当に従う必要がある?まず確認する3STEP
上司から「会社の決まりだから」と言われた。
それだけで、必ず従う必要があると決まるわけではありません。
おかしいと思ったら、まず次の3つを確認してみよう。
就業規則、雇用契約書、賃金規程には何と書いてあるか。
まずは該当する箇所を探します。
上司から口頭で言われただけなのか。
正式な社内規程なのかも分けて考えたいところです。
会社は職場のルールを定められます。
ただ、労働基準法などに反する内容まで自由に決められるわけではありません。
「就業規則に書いてあるから絶対」とは限りません。
同じ社内ルールでも、雇用契約や仕事内容、実際の働き方によって扱いが変わることがあります。
自分では判断しにくい。
そんなときは記録を整理し、公的な相談窓口や弁護士に確認する方法もあります。
かずき「会社のルールだから絶対」とも、「少し変だから全部違法」とも決めつけない。何が決まっていて、実際に何が起きているのかを分けて見ていきましょう。
疑わしい社内ルール7選


- 副業は一切禁止 → 一律禁止が常に有効とは限らない
- 退職は3か月前 → 契約期間や法律上のルールも確認する
- 残業代は○時間まで → 実際の労働時間と賃金を確認する
- ミス代を給与から天引き → 一方的な控除には注意
- 有給には理由が必要 → 利用目的は原則自由
- 自由参加の研修 → 実質強制なら労働時間になる可能性
- 管理職だから残業代なし → 肩書きではなく実態で判断
1. 「副業は一切禁止」
仕事が終わったあとの時間まで、会社が何でも決められるわけではありません。
勤務時間外の過ごし方は、基本的には労働者の自由と考えられています。
だから、「副業は一切禁止」という規定が、どんな場合でも有効とは限らない。
もちろん、会社が副業を制限できる場合もあります。
- 本業への労務提供に支障が出る
- 会社の秘密が漏れるおそれがある
- 競業によって会社の利益を害する
- 会社の名誉・信用を損なうなど、信頼関係に重大な問題が生じる
就業規則には、何が禁止されているのか。
副業の種類や制限される条件まで確認しておきたいところです。
2. 「退職は3か月前に申し出ること」
「退職は3か月前までに申し出ること」。
就業規則にこう書かれている会社もあります。
ただ、期間の定めのない労働契約には、民法627条のルールがあります。
原則として、退職の申入れから2週間を経過すると契約が終了するというものです。
有期労働契約なら、別のルールも確認しなければなりません。
「退職は必ず2週間」「就業規則が3か月なら絶対3か月」と、一律には決められないんです。
退職時に会社から言われるルールを詳しく確認したい方はこちら


3. 「残業代は月○時間までしか出さない」


「残業代は月20時間まで」。
会社にそう言われても、20時間を超えた分を支払わなくてよいとは限りません。
法定時間外労働や休日労働、深夜労働があれば、法律に基づく割増賃金が必要です。
固定残業代があっても同じです。
法律上必要な割増賃金が固定残業代を上回る場合は、不足分の支払いが必要になります。
未払い残業や固定残業代を詳しく確認したい方はこちら


4. 「仕事中のミス代は給料から天引きする」
賃金は、原則としてその全額を労働者へ支払う必要があります。
仕事でミスをして、会社に損害が出た。
だからといって、会社が一方的にその金額を給与から差し引けるわけではありません。
ただし、賃金の全額払いには、法令や一定の労使協定に基づく控除などの例外があります。



ミスの損害を賠償する必要があるか。給与から一方的に差し引いてよいか。この2つは別の話です。
5. 「有給休暇を取るなら理由を言うこと」


年次有給休暇は、原則として利用目的を問わず取得できます。
「旅行だからダメ」「私用では認めない」。
そんな理由だけで、有給休暇を拒否できるわけではありません。
ただし、会社には「時季変更権」があります。
請求された日に休ませると事業の正常な運営を妨げる場合、別の時季への変更を求めることができる制度です。
6. 「研修・勉強会は自由参加」なのに実質強制
「自由参加だから、研修は勤務時間に入らない」。
会社がそう呼んでいるだけでは、労働時間かどうかは決まりません。
参加しないと不利益を受ける。
事実上、参加を義務づけられている。
そんな研修なら、労働時間に当たる可能性があります。
- 参加は本当に任意か
- 不参加による不利益がないか
- 業務上必要な研修か
- 会社から参加を指示されていないか
7. 「管理職だから残業代は一切出ない」


「店長だから残業代は出ない」と言われた。
でも、店長や課長という肩書きだけで、労働基準法上の管理監督者になるわけではありません。
確認するのは、実際の仕事内容や責任と権限、勤務時間の裁量、待遇などです。
- 経営者と一体的な立場といえる職務・責任・権限があるか
- 勤務時間について大きな裁量があるか
- その立場にふさわしい待遇を受けているか
法律上の管理監督者に当たらないなら、原則として時間外・休日労働の規制や割増賃金の対象になります。
また、本当に管理監督者に該当する場合でも、深夜労働の割増賃金は必要です。
「会社のルール」と「法律上の義務」を分けて考える
会社が職場を運営するには、一定のルールも必要です。
そのため、社内ルールがあること自体が問題なのではありません。
ただ、会社独自のルールで、法律上の権利や義務まで自由に変えることはできません。
- 法律上決まっていること
- 会社が就業規則などで決めていること
- 上司や会社からのお願い・慣習にすぎないこと
「会社に言われたから、従うしかない」。
そう感じたときこそ、法律と社内ルール、会社のお願いを分けて考えてみてください。
社内ルールに「おかしい」と感じたときの3STEP
おかしいと思っても、すぐに会社と争う必要はありません。
まずは、何があったのか後から確認できる状態にしておこう。
就業規則、雇用契約書、給与明細、勤怠記録、会社とのメールなど、関係する資料を整理します。
残業代、有給、退職、ハラスメントなど、問題によって確認する法律や相談先が変わります。
残業代など、労働基準法違反が疑われるなら労働基準監督署。
どこへ相談すればよいか迷う職場トラブルなら、総合労働相談コーナー。
具体的な請求や会社との交渉が必要なら、弁護士への相談も選択肢です。
「辞める」以外の選択肢も含めて考える
会社のルールがおかしいと分かった。
だからといって、今すぐ辞めなければならないわけではありません。
- 会社へ確認する
- 人事や相談窓口へ相談する
- 記録を残しながら様子を見る
- 異動や働き方の変更を考える
- 転職活動を始める
- 退職を進める



法律を知ったからといって、会社と戦う必要はありません。残る、相談する、転職する、辞める。自分で選べる道を増やすために、知っておいてほしいんです。
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未払い残業や固定残業代が気になる方


退職時に会社から言われたことが本当か確認したい方


会社から「辞めさせない」と言われている方


仕事そのものがつらく、まず自分を守りたい方


まとめ|「会社の決まりだから」で終わらせない
社内ルールには、必要なものもたくさんあります。
でも、「昔からそうだから」「就業規則に書いてあるから」というだけで、法律上の権利まで変わるわけではありません。
- まず社内ルールの内容を確認する
- 法律上のルールと分けて考える
- 自分のケースに当てはまるか確認する
- 必要な記録を残す
- 残る・相談する・転職する・辞めるを自分で選ぶ
おかしいと感じても、すぐ我慢する必要はない。
反対に、すぐ会社と争う必要もありません。
まずは、会社のルールなのか、法律上のルールなのか。
そこから確認してみよう。
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。
個別の社内ルールが有効かどうかは、就業規則、労働契約、勤務実態などによって異なります。
具体的なトラブルについては、労働基準監督署、総合労働相談コーナー、弁護士など適切な窓口へご相談ください。





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