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残業代が出ないのは当たり前?元労基が教える、サービス残業の違法性と請求のポイント

2026 7/08
労働問題・労基相談
2026年7月8日

「定時でタイムカードを押してからが本番」 「準備や片付けは仕事じゃないから」 「うちはみなし残業だから、いくら働いても同じ」

そんな空気に、なんとなく従ってしまっていませんか?

はじめまして、元労働基準監督官のかずきです。私は20年以上のキャリアの中で、数えきれないほどの「これって普通ですよね?」という現場を見てきました。多くの方が、当たり前だと思い込んでいることの中に、実は労働基準法上「違法」とされる可能性が高いものが、たくさん含まれています。

この記事では、正しい「労働時間」の考え方と、サービス残業を解消・請求するために、今日からできる記録の残し方を解説します。

目次

この記事でわかること

  • 見落とされがちな「これも労働時間」の具体例
  • 「固定残業代だから」が通用しないケース
  • 未払い残業代を請求するための記録の残し方
  • 相談のタイミングと相談先

【動画で解説】時間がない方はこちら

読む時間がない方へ
この記事の大事な部分を30秒でまとめました。
「サービス残業って当たり前なの?」と感じている方は、まずこちらだけ見てみてください。

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詳しい判断ポイントや、記録の残し方はこの下で解説しています。


1. 実はこれも「労働時間」!見落とされがちな3つのポイント

「残業代が出ないのは当たり前」だと感じてしまう背景には、そもそも「労働時間」の範囲が正しく理解されていないケースが少なくありません。

見落とされがちな労働時間の例

① 明確な指示がなくても実質的な残業になっているケース → 終わらない量の仕事を任され、結果として残業せざるを得ない状態

② 始業前の掃除・朝礼・着替え → 参加が実質的に求められている時間

③ 休憩中の電話番・来客対応 → 労働から完全に離れられていない「手待ち時間」

① 明確な指示がなくても、実質的な残業になっているケース

直接「残業しろ」と言われていなくても、その日のうちに終わらない量の仕事を任されていて、結果として残業せざるを得ない状態になっている場合、その時間は労働時間として扱われる可能性があります。「言われていないから残業ではない」とは限りません。

② 始業前の掃除・朝礼・着替え

会社から実質的に参加を求められている(参加しないと不利益がある、または慣習として全員参加が前提になっている)始業前の時間は、労働時間として扱われるべきケースがあります。

③ 休憩中の電話番・来客対応

「何かあったら対応して」と言われている状態での休憩は、労働から完全に離れられているとは言えず、労働時間(手待ち時間)として扱われる可能性があります。

いずれも、「明確な残業指示があったかどうか」だけでなく、実質的に労働から離れられていたかどうかがポイントになります。


2. 「固定残業代(みなし残業)」の誤解

固定残業代(みなし残業代)を導入している会社でよくある誤解が、「定額だから、何時間働いても残業代は同じ」というものです。

かずき

「固定残業代は『定額だから何時間でも同じ』という制度ではありません。設定された時間を1分でも超えたら、会社には追加で支払う義務がありますよ。」

これは正確ではありません。固定残業代として設定されている時間数を超えて働いた場合、会社にはその超過分を追加で支払う義務があります。たとえば、月20時間分の固定残業代が設定されている場合、20時間を1分でも超えた分は、別途支払われる必要があります。

さらに、そもそも基本給と固定残業代の金額が就業規則や雇用契約書で明確に区分されていない場合、固定残業代の制度自体が無効と判断され、固定残業代として支払われていた金額もすべて「基本給」として扱われ、そこに追加で残業代を計算し直す必要が生じるケースもあります。

「固定残業代だから」という説明だけで、それ以上の残業代の話が終わってしまっている場合は、一度立ち止まって確認してみる価値があります。


3. 未払い残業代を請求するために、今日からできる記録の残し方

未払い残業代を請求する際、最も重要になるのが「客観的な記録」です。感覚的な訴えだけでは、話し合いの場でも証明が難しくなってしまいます。

会社に記録が残っている場合

・タイムカードのコピー

・業務メールの送受信履歴(深夜・早朝の送信は特に有効)

・PCのログオン・ログオフの記録

これらは、可能であれば在職中に、個人のメールアドレスに転送したり、写真で保存したりしておくと安心です。

タイムカードなど客観的な記録がない場合

STEP
手書きの業務日記

毎日、何時に始業し、何時に終業したか、どんな業務をしていたかを簡単にメモしておく(デジタルのメモアプリでも可。継続することが重要)

STEP
スマートフォンの位置情報の履歴

会社にいた時間帯の目安を示す補助的な記録になる

STEP
家族へのメッセージ

「今から帰る」といった何気ないメッセージも、日々続けていれば、実際に何時頃まで会社にいたかを示す記録の一つになり得る

一つひとつは決定的な証拠にならなくても、複数の記録を組み合わせることで、状況を伝えやすくなります。


4. 相談のベストタイミングと相談先

タイミング

在職中のほうが記録を集めやすいのは事実ですが、退職後であっても、未払い残業代は基本的に給料日ごとに3年請求できるとされています(2020年の法改正で、それまでの2年から延長されました。将来的に5年へ延長される可能性もあると言われていますが、2026年時点では当分の間3年です)。つまり、一番古い月の分から順番に時効を迎えていくため、心当たりがある場合は、なるべく早めに動き出すことをおすすめします。

相談先の例

・労働基準監督署 → 法律違反の是正を求める相談先。ただし、明確な法律違反が確認できないケースでは対応できる範囲に限りがあることも

・弁護士 → 具体的な金銭請求や、会社との交渉を代行してもらいたい場合に適している

どの窓口に相談するにしても、まずは自分の手元にある記録を整理しておくことが、スムーズな相談への近道になります。


5. まとめ:「おかしい」と思った感覚を大切に

サービス残業は、あなたの大切な時間に対して、本来支払われるべき賃金が支払われていない状態です。「みんなそうだから」「昔からこうだから」という空気の中にいると、その違和感に気づきにくくなってしまうこともあります。

今日から意識したい4つのポイント

・「これも労働時間かもしれない」という視点を持つ

・固定残業代の仕組みを正しく理解する

・今日から、無理のない範囲で記録をつけ始める

・心当たりがあれば、早めに相談先を検討する

まずは、自分が「おかしい」と感じた感覚を大切にして、できることから記録をつけてみてください。

今後は、具体的な残業代の計算方法や、労働基準監督署への申告手順について、もう少し詳しく解説する予定です。


※本記事の内容は一般的な情報です。実際に労働時間や未払い残業代として認められるかどうかは、就業規則の内容や勤務の実態など、個別の事情によって判断が異なります。詳しくは労働基準監督署や弁護士にご相談ください。

労働問題・労基相談

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かずき
元労働基準監督官
20年以上、労働基準監督官として日本の労働現場の最前線に立ち続けてきました。
「今の仕事、いつまで続けられますか?」
サービス残業、パワハラ、不当な引き止め……。数多くの現場を見てきたからこそ、悩めるあなたに「損しない辞め方」と「自分を守る法律の知識」を届けたい。
現在は公務員を退職し、不動産投資で「会社に依存しない生き方」を実践中。あなたの新しい一歩を全力でバックアップします。
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