「転職したいけれど、求人を見る、履歴書を書く、会社を辞める……何から始めればいいのか分からない」

とりあえず転職サイトに登録すればいいのかな?
初めての転職。
やることが多そうで、何から手をつけるか迷いますよね。
でも、いきなり応募したり、先に会社を辞めたりする必要はありません。
最初に考えたいのは、「なぜ転職したいのか」「次の会社で何を変えたいのか」ということ。
この記事では、転職を考え始めてから、求人探し、応募、面接、内定後の条件確認、退職、入社までを順番に整理します。
- 転職活動で最初にやること
- 求人を見る前に整理しておくこと
- 転職先が決まる前に退職するかの考え方
- 求人・応募・面接で確認すること
- 内定後から退職・入社までの流れ
先に結論|転職活動は求人検索より前の整理から始める
転職活動は、求人へ応募した日から始まるわけではありません。
まずは今の状況と希望を整理する。
それから求人を見ると、何を基準に選べばよいかが見えてきます。
- 転職したい理由を整理する
- 在職中に探すか、退職後に探すか考える
- 次の会社で譲れない条件を決める
- 職歴・経験・スキルを棚卸しする
- 求人を集めて比較する
- 応募書類を作る
- 面接で条件を確認する
- 内定後に労働条件を確認する
- 退職・入社の準備をする





順番は多少前後して構いません。ただ、求人を見つけた勢いだけで応募先や退職日まで決めないことが大切です。
STEP1|転職したい理由を整理する
最初に、「なぜ今の会社から転職したいのか」を書き出します。
面接用の、きれいな退職理由でなくても構いません。
まずは自分が何を変えたいのかを知るための作業です。
今の不満を「次に確認する条件」へ変える
「残業が多い」「給与が低い」「転勤がつらい」といった不満も、転職を考えるきっかけになります。
ただ、不満だけでは次の会社を選べません。
| 今の不満 | 次の求人で確認すること |
|---|---|
| 残業が多い | 勤務時間・時間外労働 |
| 給与が低い | 基本給・手当・昇給 |
| 休日が少ない | 年間休日・休日の決まり方 |
| 転勤がつらい | 勤務地・変更の範囲 |
今の会社の何がつらいのか。
その不満を、次の会社で確認する条件に置き換えてみよう。
転職以外の選択肢も一度分ける
今の悩みが、会社を変えなければ解決できないものかも確認します。
- 転職する
- 今の会社に残る
- 異動を相談する
- 休暇・休職を検討する
- 働き方を変える
今すぐ答えを出さなくても大丈夫です。
転職を選択肢の一つに置いて、情報を集めるところから始められます。
STEP2|在職中に探すか、退職後に探すか考える
転職活動を始めるために、先に会社を辞める必要はありません。
在職中でも、条件整理、求人確認、応募、面接などを進められます。
「職場・お金・時間」の3つで考える
- 今の職場を続けながら活動できる状態か
- 退職した場合、初回給与まで生活資金をつなげられるか
- 求人確認・書類作成・面接に使える時間があるか
在職中なら給与を受け取りながら探せますが、転職活動に使える時間は限られます。
退職後なら活動時間を確保しやすくなりますが、再就職時期は確定できません。
どちらがよいかは、今の職場の状況や生活によって変わります。
先に退職するか迷っている場合は、こちらの記事で整理できます。


先に退職する場合は、再就職日ではなく、新しい会社から初回給与が入る日までの資金も確認してください。


今の職場を続けることが難しい場合
心身の不調が強い場合や、安全に関わる問題がある場合は、「在職中の方がお金の面で安心」という一般論だけで決めないでください。
必要に応じて医療機関や公的な相談窓口などを利用し、休暇や休職を含めて自分を守る方法を確認しましょう。
STEP3|転職の軸と譲れない条件を決める
転職理由を整理したら、「次の会社を何で選ぶか」を決めます。
これが、求人を選ぶときの「転職の軸」になります。
希望条件を3段階に分ける
- 絶対に譲れない条件
- できれば満たしたい条件
- 他の条件次第で妥協できる条件
たとえば、「勤務地は譲れない」「給与は○万円以上を希望」「仕事内容は複数候補から検討できる」という形です。
すべてを必須条件にすると求人が極端に少なくなり、逆に何も決めないと給与や知名度だけで選びやすくなります。
譲れない条件をどう決めるかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。


STEP4|職歴・経験・スキルを棚卸しする
次に、これまで何をしてきたのかを整理します。
大げさな自己分析をする必要はありません。
まず、応募書類を作るための事実を集めます。
- 在籍期間・雇用形態
- 担当した仕事
- 任された役割
- 使った知識・システム・資格
- 工夫したこと
- 数字や事実で説明できる成果
- 得意だったこと・苦手だったこと
無理に「自分の強み」をひねり出す必要はありません。
まず事実を書き出し、その後で応募先の仕事と関係する経験を選びます。
職種を調べるならjob tagも使える
知らない職種の仕事内容や必要なスキルを調べる場合は、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」も利用できます。
診断結果だけで転職先を決めるものではありません。
知らない仕事を調べたり、自分の経験と比べたりするときに使えます。
STEP5|求人を集めて比較する
転職の軸と自分の経験が見えてきたら、求人を集めます。
最初から応募先を1社に決める必要はありません。
複数の求人を見ることで、自分の希望と求人市場の違いも見えてきます。
求人を探す方法は一つに絞らなくてよい
- 転職サイト
- 転職エージェント
- ハローワーク
- 企業の採用ページ
- その他の職業紹介サービス
転職サイトと転職エージェントは役割が違います。
どちらを使うか迷う場合はこちらで整理してください。


求人票は給与だけで判断しない
応募候補を見つけたら、給与だけでなく複数の条件を確認します。
- 仕事内容と変更の範囲
- 勤務地と変更の範囲
- 雇用形態・契約期間
- 基本給・手当・固定残業代
- 始業・終業時刻・時間外労働
- 休日・休暇
- 試用期間
2024年4月から、募集時には「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」なども明示事項に追加されています。
厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
求人を見るときの具体的な注意点は、専用記事へ分けています。


STEP6|応募書類を作って応募する
応募したい求人が見えてきたら、履歴書と職務経歴書を準備します。
ここまでに整理した「転職理由」「希望条件」「経験」が、応募書類の材料になります。
履歴書と職務経歴書の役割を分ける
| 書類 | 主に伝えること |
|---|---|
| 履歴書 | 基本情報・学歴・職歴・資格など |
| 職務経歴書 | 担当業務・経験・スキル・成果など |
職務経歴書では業務名だけを並べず、「何を担当し、どのような役割で取り組んだか」が分かるようにします。
成果を数字で表しにくい仕事でも、担当件数、期間、業務範囲、改善した手順など、説明できる事実を使えます。
応募数を増やすことだけを目的にしない
応募数を増やすことだけに追われなくていい。
「なぜこの会社に応募するのか」を自分の言葉で説明できるか、考えてみよう。
応募前に、希望条件から大きく外れていないかも再確認しましょう。
STEP7|面接は「選ばれる場」と「確認する場」の両方
面接では、自分の経験や転職理由を伝えます。
同時に、求人票だけでは分からなかった仕事内容や働き方を、自分が確認する場でもあります。
退職理由だけで終わらせない
現在の会社への不満が転職のきっかけでも、会社への批判だけでは「次に何をしたいのか」が伝わりません。
次の3つに分けて整理すると話しやすくなります。
- 今の職場で変えたいこと
- これまで自分で対応してきたこと
- 次の職場で実現したいこと
面接で聞いた条件を記録する
仕事内容、配属、勤務時間、休日、給与、試用期間などの説明を受けたら、応募先ごとに記録します。
求人票と説明が違う場合は、「何が変わったのか」を確認しておきましょう。



面接官の印象だけで決めないようにしたいですね。自分が確認したかった条件についても、メモを残しておくと比較しやすくなります。
STEP8|内定後は労働条件を確認してから退職へ進む
内定の連絡を受けたら、すぐ現在の会社へ退職を伝えるのではなく、まず入社する条件を確認します。
労働条件通知書などで確認する
労働契約を結ぶ際、使用者には賃金、労働時間その他の労働条件を明示する義務があります。
2024年4月からは、すべての労働契約の締結時などに、就業場所・業務の「変更の範囲」も明示事項に加わっています。
- 契約期間・雇用形態
- 就業場所と変更の範囲
- 仕事内容と変更の範囲
- 基本給・手当・固定残業代
- 給与支払日
- 勤務時間・休憩・休日
- 試用期間と期間中の条件
- 入社予定日
厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」
求人票は重要な判断材料ですが、最終的には契約時に示される労働条件を確認します。
求人時や面接時と違う条件が示された場合は、変更点を確認し、納得できるか考えてから判断してください。
STEP9|退職日・入社日・初回給与日をつなげる
入社する意思と条件が固まったら、現在の会社の退職と新しい会社への入社をつなげます。
ここで確認したいのは、退職日と入社日だけではありません。
- 現在の会社の退職日
- 有給休暇を取得する期間
- 新しい会社の入社日
- 給与締日
- 初回給与日
空白期間がある場合は手続きも確認する
退職日と入社日の間に空白がある場合は、健康保険や年金などの切り替えが必要になることがあります。
退職前から入社までに何をするかは、時系列の記事で確認できます。


有給消化中の転職活動と勤務開始は分けて考える
有給休暇中に求人を見る、応募する、面接を受けることと、現在の会社に在籍したまま新しい会社で働き始めることは別です。
勤務開始まで重なる場合は、両社の就業規則、兼業の扱い、労働時間、社会保険などを確認する必要があります。


転職活動で迷ったら「今どの段階か」を確認する
転職活動では、一度にすべてを終わらせようとすると迷いやすくなります。
| 今の状態 | 次にやること |
|---|---|
| 転職したいが理由が曖昧 | 今の不満と変えたいことを書く |
| 求人を選べない | 転職の軸を整理する |
| 在職中か退職後か迷う | 職場・お金・時間を確認する |
| 応募できない | 職歴と経験を棚卸しする |
| 求人の見方が分からない | 条件を並べて比較する |
| 内定後に迷う | 労働条件を書面等で確認する |
今日、転職するかどうかまで決めなくても構いません。
今の自分にできることを、一つ選ぶところから始めてみよう。
初めての転職活動でよくある質問
- 転職活動は何から始めればいいですか?
-
最初に、今の職場で「変えたいこと」と、次の職場で「確認したいこと」を書き出します。
いきなり求人へ応募する必要はありません。
- 転職先が決まる前に退職してもいいですか?
-
一律には判断できません。
現在の職場を続けられる状態か、転職活動に使える時間があるか、退職後から初回給与まで資金をつなげられるかを分けて確認してください。
- 転職サイトや転職エージェントには最初から登録しますか?
-
情報収集のために使うことはできます。
ただ、登録前後に転職理由と希望条件を整理しておくと、紹介された求人が自分に合うか判断しやすくなります。
- 転職活動は何か月前から始めればいいですか?
-
必要な期間は、職種、求人状況、選考回数、在職中か退職後かなどで変わります。
マイジョブ・カードでは、在職中の転職活動について3か月程度を一つの目安として紹介していますが、全員に当てはまる期間ではありません。
- 内定が出たらすぐ退職を伝えていいですか?
-
まず、仕事内容、勤務地、給与、勤務時間、休日、試用期間、入社予定日などの労働条件を確認します。
そのうえで、現在の会社の退職手続きと入社日の調整へ進みます。
まとめ|今日やるのは「転職理由」と「希望条件」の整理
転職活動は、求人への応募や会社を辞めることから始める必要はありません。
まず、「なぜ転職したいのか」「次の会社で何を変えたいのか」を整理します。
今の職場で変えたいことを、次の求人で確認する条件へ変えます。
在職中か退職後かを、職場・お金・時間から考えます。
譲れない条件と、他の条件次第で調整できるものを分けます。
職歴を整理し、求人を比較してから応募します。
面接でも条件を確認します。
内定後は労働条件を確認し、退職日・入社日・初回給与日までつなげます。
今日すべてを終える必要はありません。
まず紙やスマホのメモに、「今の職場で変えたいこと」と「次の職場では確認したいこと」を一つずつ書いてみてください。
そこまで書けたら、転職活動の最初の一歩です。
次は、その希望を求人選びに使える「転職の軸」へ整理します。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。労働条件、退職手続き、兼業、社会保険などの扱いは、雇用形態、契約内容、就業規則、加入状況、退職日・入社日その他の個別事情によって異なります。実際の条件や手続きは、勤務先、応募先、関係する公的窓口などへご確認ください。











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