「今の会社を辞めたい」
でも、次の仕事が決まっていないまま退職して大丈夫だろうか。

先に辞めたら、転職で不利になったり、お金が足りなくなったりしないかな……
在職中に転職活動をすれば、給与を受け取りながら次の仕事を探せます。
一方で、仕事が忙しく、求人を見る時間や面接へ行く余力を確保できない人もいます。
だから、「次の仕事が決まっているか」だけで、先に退職するかどうかは決められません。
この記事では、今の職場の状況、お金、転職活動に使える時間を分けて考えます。
どちらが有利かを決めつけず、自分が取れる選択肢を整理していきましょう。
- 今の会社を続けながら転職活動できる状態か
- 退職後から初回給与まで資金をつなげられるか
- 在職中と退職後のどちらが活動時間を確保しやすいか
- 先に退職する場合、退職後に何をするか決まっているか
- 退職日・有給消化・入社日をどうつなげるか
転職活動そのものを何から始めればよいか分からない場合は、先にこちらで全体像を確認してください。


先に結論|「職場・お金・時間」の3つで判断する
在職中に転職活動するか、先に退職するかに、全員共通の正解はありません。
まず次の3つを分けて確認します。
- 現在の職場を続けながら活動できる状態か
- 給与が止まっても、次の初回給与までお金が持つか
- 転職活動へ使える時間と余力を確保できるか





「転職先未定で辞めること」と「何も準備せず辞めること」は別です。先に退職するなら、その後を具体的に確認してから判断します。
STEP1|今の会社を続けながら活動できるか確認する
最初に確認するのは、お金ではありません。
今の仕事を続けながら、転職活動に必要な時間と余力を確保できる状態かを確認します。
仕事と転職活動を両立できるか
- 勤務後や休日に求人を見る時間があるか
- 履歴書・職務経歴書を準備できるか
- 平日の面接日程を調整できるか
- 残業や通勤で休息時間が不足していないか
- 仕事と転職活動を並行しても判断する余力があるか
在職中にすべてを進める必要はありません。
転職理由を整理する、求人を見る、職歴を棚卸しするなど、応募前の準備だけ始める方法もあります。
心身の不調や安全上の問題がある場合
今の職場で働き続けると、心身の不調が強くなってしまう。
そんな場合は「給与が続くから在職中の方がよい」とは限りません。
安全に関わる問題があるときも同じです。
心身の状態や安全に不安があるなら、転職活動の有利・不利よりも先に、自分を守る方法を考えたいところです。
必要に応じて医療機関や公的な相談窓口に相談し、休暇・休職なども選択肢に入れてください。
もちろん、すぐに退職を決める必要もありません。
今の会社に残る、休む、異動を相談する、在職中に転職活動を始める、先に退職するなど、取れる選択肢を分けて考えます。
STEP2|初回給与までお金が持つか確認する
先に退職する可能性があるなら、次にお金を確認します。
計算する期間は、退職日から再就職日までではありません。
新しい会社から初回給与が実際に入るところまで確認します。
生活費だけで判断しない
退職後に出ていくお金には、家賃や食費以外もあります。
- 健康保険料
- 国民年金保険料
- 住民税
- 転職活動費
- カード払いや年払い費用
反対に、最終給与、退職金、基本手当などが入る場合もあります。
ただし、総額ではなく、実際にお金が出る月・入る月で計算します。
月ごとの必要資金の計算方法は、次の記事で詳しく整理しています。


基本手当を最初から生活費へ入れない
雇用保険の基本手当は、退職した人全員へ退職直後から支給されるものではありません。
求職の申込みを行い、働く意思と能力がありながら仕事に就けない「失業の状態」にあることなど、受給要件があります。
基本手当には7日間の待期があります。
正当な理由のない自己都合退職では、2025年4月1日以降の離職について、待期満了後に原則1か月の給付制限があります。
過去の離職状況などによって給付制限が3か月となる場合もあります。
退職後すぐ受け取れるものとして資金計画を作らないでください。
基本手当の条件や手続きはこちらで確認してください。


健康保険・年金・住民税は詳細記事へ分ける
退職後に空白期間が生じる場合は、健康保険や年金の切り替えが必要になることがあります。
住民税も、退職後に給与収入がなくなったからといって自動的になくなるものではありません。
健康保険・年金・住民税について、いつ何を確認するかは次の記事で時系列に整理しています。


STEP3|転職活動に使える時間と退職後の計画を確認する
お金の次は、活動時間を確認します。
先に辞めれば、転職活動に使える時間は増えるかもしれません。
でも、その時間で何をするかも考えておきたいところです。
在職中は活動時間を確保できるか
在職中なら、勤務時間外や休日を使って情報収集や応募準備を進めます。
面接が平日の日中に行われる場合は、休暇や勤務予定との調整も必要です。
給与を受け取りながら探せることは利点ですが、活動する時間がまったく取れなければ、転職活動が進まないこともあります。
退職後に何をするか決めておく
先に退職するなら、退職後の時間の使い方を具体的にします。
- 転職の軸・希望条件を整理する
- 応募する職種・業界を調べる
- 履歴書・職務経歴書を作る
- 求人を比較する
- 応募・面接の予定を管理する
- 活動が長引いた場合の見直し時期を決める
計画どおりに転職先が決まるとは限りません。
「○月まで決まらなければ希望条件を見直す」。
そんな区切りを先に考えておくと、活動が長引いても判断しやすくなります。
資金が減ってきたら、支出も見直しましょう。
STEP4|在職中と退職後の違いを比較する
ここまで確認した内容を、在職中と退職後で並べます。
| 比較項目 | 在職中 | 退職後 |
|---|---|---|
| 給与 | 現在の給与が続く | 現在の給与は止まる |
| 活動時間 | 仕事との両立が必要 | 時間を確保しやすい |
| 求人比較 | 収入面では急ぎにくい | 資金が減ると焦る可能性 |
| 面接日程 | 勤務との調整が必要 | 平日日中も動きやすい |
| 入社日 | 退職日との調整が必要 | 比較的調整しやすい |
| 離職期間 | 空白を減らしやすい | 期間を事前に確定できない |
| 保険・年金 | 現在の加入が続く | 空白期間の手続きを確認 |
この表は、どちらが優れているかを決めるものではありません。
自分なら、どちらの負担に対応できそうか。
そこを見るための比較です。
在職中から始めやすい場合
- 今の仕事を続けながら活動する余力がある
- 給与を維持しながら求人を比較したい
- 転職するかどうかも含めて検討中
- 退職日と入社日を調整する余地がある
条件整理や求人確認だけ在職中に始め、応募は後から進める方法もあります。
先に退職する選択を検討する場合
- 現在の仕事との両立が現実的に難しい
- 退職後の活動内容を具体的に考えている
- 初回給与までの資金を確認している
- 退職後の手続きを把握している
- 活動が長引いた場合の対応も考えている
これらに当てはまるからといって、「退職した方がよい」という診断ではありません。
先に辞めることで減る負担と、退職後に新しく生じる負担の両方を見ることが大切です。
STEP5|退職日・有給消化・入社日を整理する
退職を選ぶ場合は、最後に日付を整理します。
最終出社日、退職日、入社日は同じものではありません。
- 最終出社日
- 有給消化期間
- 退職日
- 新しい会社の入社日
- 新しい会社の初回給与日
有給消化中の転職活動と勤務開始は別
年次有給休暇の利用目的は原則として労働者の自由です。
そのため、有給消化中に求人を見る、応募する、面接を受けることと、新しい会社で実際に働き始めることは分けて考えます。
旧勤務先に在籍したまま新しい会社でも勤務する場合は、双方の就業規則、副業・兼業の扱い、労働時間、社会保険などが関係することがあります。
「有給中だから自由に新しい会社で働ける」と一律には考えず、勤務開始日は両社へ確認してください。
有給消化中の転職活動は、こちらで詳しく整理しています。


迷ったら「退職するか」ではなく次に確認することを決める
ここまで考えても、すぐに結論が出ないことはあります。
そんなときは、「辞める・辞めない」を無理に決めなくて構いません。
まだ分からないことを、一つずつ確認してみましょう。
| 今の状態 | 次に確認すること |
|---|---|
| 仕事との両立ができそう | 在職中に転職準備を始める |
| 時間がほとんど取れない | 先にできる準備と退職後の計画を整理 |
| お金が不安 | 初回給与までの月別資金を計算 |
| 今の職場を続けるのが難しい | 安全確保・相談先・休暇等も確認 |
| 退職後の予定が曖昧 | 転職の軸・求人・活動予定を整理 |
| 先に退職すると決めた | 退職日・有給・手続きを確認 |
転職活動の全体像へ戻りたい場合はこちらです。


先に退職すると決めた場合は、退職前後の手続きを確認します。


転職先未定での退職についてよくある質問
- 転職先が決まっていないまま辞めると不利ですか?
-
転職先未定で退職したことだけで、すべての選考が不利になるとはいえません。
離職期間がある場合は、退職理由やその期間に何をしていたかを確認されることがあります。
事実と異なる説明を作らず、退職理由と転職活動の内容を整理しておきましょう。
- 貯金はいくらあれば先に退職できますか?
-
全員共通の金額はありません。
生活費だけでなく、健康保険、年金、住民税などを含め、退職月から新しい会社の初回給与入金月までの資金を月別に確認してください。
- 有給消化中に面接を受けてもよいですか?
-
年次有給休暇の利用目的は原則として労働者の自由なので、求人検索や応募、面接などに使うことはできます。
ただし、退職日前に新しい会社で実際に勤務を始める場合は、就業規則、副業・兼業、社会保険などを別に確認してください。
- 失業保険があるなら先に辞めても大丈夫ですか?
-
基本手当を受けられるか、いつ入金されるかは個別に確認が必要です。
退職すれば全員がすぐ受け取れるものではないため、受給見込み額を最初から確定収入として差し引かず、入金まで資金が持つか確認してください。
- 退職後、どのくらいで転職先が決まりますか?
-
希望職種、経験、勤務地、求人状況、選考回数などによって変わるため、一律には決められません。
早く決まる場合だけを前提にせず、活動が予定より長引いた場合の資金と見直し時期も確認してください。
まとめ|「先に辞めてよいか」ではなく、対応できるリスクを確認する
在職中と退職後の転職活動には、それぞれ違う負担があります。
在職中は給与を維持しやすい一方、仕事との両立が必要です。
退職後は時間を確保しやすい一方、再就職までの期間を事前に確定できません。
仕事を続けながら転職活動する時間と余力があるか確認します。
生活費・保険・年金・住民税などを月別に確認します。
先に退職する場合は、できた時間を何に使うのかまで決めます。
どちらが優れているかではなく、自分が対応できる負担を確認します。
退職すると決めたら、手続きと日付をつなげます。
大切なのは、「転職先が未定だから辞めてはいけない」「時間が欲しいから先に辞める」と一つの条件だけで決めないことです。
今の職場、お金、時間、退職後の計画を分けて確認すれば、自分が今取れる選択肢が見えやすくなります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。
雇用保険、健康保険、年金、住民税、年次有給休暇、兼業・二重在籍等の扱いは、退職日、再就職日、加入状況、就業規則その他の個別事情によって異なる場合があります。
実際の手続きや適用は、勤務先、ハローワーク、保険者、年金事務所、自治体などへご確認ください。











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